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「憲法」とは「歴史」である-歴史法学者・シュタインの教え

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先のブログの中で、「『憲法』というものは
『その国の歴史・文化・伝統に基礎づけられた国家統治の最高法』
とでも定義づけられるのではないか」と記載しました。

そのことを如実に表している明治時代の
エピソードを以下に紹介したいと思います。

明治15年、憲法調査のために欧州派遣を命じられた伊藤博文は、
ウィーン大学でオーストリア人歴史法学者の
ローレンツ・フォン・シュタイン教授から
以下の教えを受けたそうです。

「自分はオーストリアの憲法についてはいくらでも語れる。
ヨーロッパの憲法についても一通り知っている。
それは歴史を知っているからだ。
しかし、私は日本の歴史を知らない。
したがって日本人にとっての憲法を講義することはできない」と。

そこで伊藤博文は初めて悟ったそうです。

「日本の憲法は、何より日本の歴史と伝統と文化に
裏打ちされたものでなければならない。
まずは自国の歴史を徹底的に研究しなければならない」と。

その後、古事記や日本書紀、律令格式、有職故実といった
日本の法制史に関する第一級資料は、
憲法制定作業の過程で徹底的に調査・研究されました。

その上で完成したのが大日本帝国憲法です。

つまり「憲法」というものは、
その国の「歴史」「伝統」「文化」そのものなのです。

言い換えるとそれは、憲法は「科学」や「技術」とは
違うということでもあります。
「科学」や「技術」であれば
どこの国の誰が発明したものでも構わないと思います。
それらは国境を超えた普遍性を有しますので。

しかし、「憲法」は「科学」や「技術」ではありません。
あくまで精神的要素の強いものなのです。

(参考・引用文献)
・「帝国憲法の真実」倉山満著(扶桑社)
・「憲法学Ⅰ憲法総論」芦部信喜著(有斐閣)etc.