司法書士 行政書士 おおたま法務事務所

アクセス

お問合わせ

トップ>お知らせ&ブログ>「憲法を論じるために、なぜわざわざ歴史の話などしなければならないのか?」

「憲法を論じるために、なぜわざわざ歴史の話などしなければならないのか?」

お知らせ&ブログ一覧

「憲法(特に日本国憲法)を論じる際、
なぜわざわざ歴史の話など持ち出さなければばならないのか?」という疑問の声を、
法律を生業にしているはずの同業者からでさえ聞くことがあります。

では、そもそも憲法とは何なのでしょうか?

「憲法」を英訳すると「Constitution」、
それを直訳すると「構成するもの、組み立て、成り立ち」といった意味になります(goo辞書)。

これを国に関していえば「国の成り立ち、その国をその国たらしめるもの」という意味になります。

この「Constitution」の訳語を、戦前の憲法学では「国体」と呼んでいました。

ところが現在では、下手をすると「国体」などという言葉を持ち出しただけで
危険な右翼思想の持ち主などとレッテル張りされるかも知れません。

しかしながら、元々「国体」という言葉は、
何のことはない「『国』家『体』制」や「『国』の『体』質」
といった程度の意味しか有していない言葉なのであり、
本来であればそこに道徳的な意味が入り込む余地はありません。

そして、いかなる国であっても、「国体」というものを、
その国の歴史・伝統・文化を抜きにして語ることはできません。

例えばイギリスであれば、国王が貴族や国民と契約し、
権利を保護するという歴史を積み重ねていることによって
国そのものが存在しています。

その形が崩れてしまったら、もはやイギリスは
(例え名前が「イギリス」のままであったとしても)、
それまでのイギリスとは別の国になってしまいます。

そのような、歴史・伝統・文化に裏打ちされた「国体」を、
あえて文字化して確認したものが
「憲法(=Constitution)」であると言えるのではないでしょうか?

なお、より正確には、成文化された「憲法典」のことを
英語では「Constitutional Code」といいます。

よって、いうなれば、「憲法」というものは
「その国の歴史・文化・伝統に基礎づけられた国家統治の最高法」
とでも定義づけられるのではないかと思います。

そして同時にそれは、冒頭に挙げた「憲法(Constitutional Code)を論じるために
なぜわざわざ歴史(Constitution)の話などしなければならないのか?」
という疑問に対する一つの答えになっているのではないでしょうか?

(参考・引用文献)
・「帝国憲法の真実」倉山満著(扶桑社)
・「憲法学Ⅰ憲法総論」芦部信喜著(有斐閣)etc.